カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[274]

投稿日:2015年5月12日

すっかり綺麗になった峠道

西国三十三ヵ所めぐり 2009年5月24日

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木ノ本駅前を出発

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快走路の国道303号を行く

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八草峠近くの風景

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八草峠の八草トンネル

 木之本に戻ると、次に国道303号で滋賀・岐阜県境の八草峠へ。交通量の少ない2車線の快走路。木ノ本駅前から19キロで八草峠のトンネル入口に到達。全長3025メートルの八草トンネルを走り抜け、岐阜県側に出たところで折り返し、木之本に戻った。

 それにしても八草峠越えの道があまりにもよくなったのには驚かされた。

 ぼくが初めて八草峠を越えたのは「30代編日本一周」(1978年)の時。スズキの50ccバイク、ハスラー50で越えたのだが、そのときの八草峠越えは次のようなものだった。

 木之本から国道303号で岐阜に向かう。その途中で越えたのが八草峠だった。何度も「八草峠 工事中 通行止」の看板を目にしたのだが、そのまま峠に向かって走っていった。交通止といっても、たいていの場合、オートバイならば難なく通れるものだ。ほんとうに通れなかったら、そこから戻ればいいと思っていた。

 金居原という最後の集落を過ぎると、国道とは名ばかりの狭い曲がりくねったダートの山道に変わり、伊吹山地をグングン登っていく。かなり急な勾配。路面は荒れている。深い溝が幾筋もでき、大粒の石ころがゴロゴロしている。峠道を登るにつれて見晴がよくなり、幾重にも重なり合った山々を一望する。周辺の山々は山頂近くまで植林されている。どこが工事中だったのかまったくわからないうちに、滋賀・岐阜県境の八草峠に着いた。

 八草峠を下っていくと、揖斐川をせき止めた横山ダムに出た。山間の村では、おばあさんが木の棒でムシロの上のアズキをたたき、脱穀していた。いかにも収穫の秋を感じさせる光景だった。

 このように当時の国道303号の八草峠越えは、国道というよりも林道のような道。滋賀・岐阜県の八草峠に限らず、ダート国道は日本中に何本もあったのだ。今ではダート国道といえば山形県の十部一峠を越える国道458号を残すのみである。

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