カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

V-Strom1000で行く日本[18]

投稿日:2015年11月18日

燧岳こそが東北最高峰

2015年9月13日(福島一周)

 国道252号で福島・新潟県境の六十里越まで行き、そこで折り返し、JR只見線の只見駅前に戻ってきた。ここからは国道289号で只見川の支流、伊南川に沿っていく。只見町から南会津町に入り、「南郷トマト」で知られる旧南郷村を行く。

 伊南川沿いの道は旧南郷村の中心、山口からは国道401号になる。旧伊南村に入り、旧伊南村の中心の古町を過ぎると、伊南川沿いの道は国道352号になる。只見から伊南川沿いの一本道を走っているのだが、国道のルートナンバーは289号→401号→352号と変わっていくのだ。南会津町は南郷村と伊南村、それと舘岩村の3村と田島町が合併してできた町。南会津町から檜枝岐村に入ると、川の名前は伊南川から檜枝岐川に変わる。

 尾瀬への入口の檜枝岐に着くと、尾瀬檜枝岐温泉の「駒の湯」に入り、そば処「まる家」で「そば定食」(1200円)を食べた。そばはつなぎを一切使わない檜枝岐名物の「裁ちそば」。それに黄粉をまぶした「そば団子」とジュウネン(エゴマ)をからめた「そば餅」がついている。「そば餅」はここでは「はっとう」と呼ばれている。

「裁ちそば」に満足し、檜枝岐を出発。さらに国道352号を行く。檜枝岐川の渓流に沿って走り、やがて山中に入っていく。展望台から「モッカケの滝」を見、道路沿いの岩壁から湧水が流れ落ちる「ぶな坂の清水」ではV−ストローム1000を止め、手ですくって清水を飲んだ。キリッとした冷たい清水。そして福島の県道1号との分岐に出る。この県道1号は沼山峠の手前までつづいているが、一般車は入れない。分岐点の御池の駐車場にバイクや車を止め、バスで沼山峠の休憩所まで行き、そこから尾瀬へと歩いていく。尾瀬沼までは徒歩1時間ほどだ。

 県道1号との分岐を過ぎると名無し峠を越える。この峠が伊南川の水系と只見川本流の水系を分けている。峠を下っていくと、東北の最高峰、燧岳(2356m)が見えてくる。東北の最高峰とはいっても関東に限りなく近い山なので、あまり東北の最高峰とは思われてはいないのが残念だ。それよりも山形・秋田県境の日本海沿いの鳥海山(2236m)の方が、はるかに東北の最高峰らしい山になっている。その差は20メートル。

 只見川源流の樹林地帯の中を走り抜け、只見川にかかる福島・新潟県境の金泉橋に到着。只見駅前から85キロの地点。橋の上から只見川の流れを見下ろした。只見川は尾瀬ヶ原から流れ出し、落差100メートルの豪快な滝、三条の滝を流れ落ち、金泉橋の下を流れ下っていく。金泉橋を渡って新潟県に入ったところで折り返し、南会津町の南郷まで戻り、片貝温泉の「ホテル南郷」に泊まった。なお、県境の金泉橋からそのまま新潟県内を走っていくと銀山平から枝折峠を越え、関越道の小出ICに出る。

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▲JR只見線の只見駅前を出発

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▲国道352号を行く

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▲国道352号沿いの屏風岩

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▲尾瀬檜枝岐温泉の「駒の湯」

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▲檜枝岐の「まる家」の「そば定食」

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▲県道1号との分岐

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▲東北の最高峰、燧岳を見る

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▲福島・新潟県境の金泉橋に到着

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▲金泉橋から見る只見川の流れ

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▲金泉橋を渡って新潟県に入ったところで折り返す

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▲片貝温泉の「ホテル南郷」

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▲「ホテル南郷」の夕食

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