カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[363]

投稿日:2016年5月27日

房総半島最南端

坂東三十三ヵ所めぐり 2009年6月16日

上総の一宮、玉前神社の鳥居

上総の一宮、玉前神社の鳥居

上総の一宮、玉前神社の「茅の輪くぐり」

上総の一宮、玉前神社の「茅の輪くぐり」

太東崎の灯台

太東崎の灯台

第32番の清水観音へ

第32番の清水観音へ

第32番清水観音の仁王門

第32番清水観音の仁王門

第32番清水観音の楼門

第32番清水観音の楼門

第32番清水観音の鐘楼

第32番清水観音の鐘楼

第32番清水観音の本堂

第32番清水観音の本堂

大原漁港の八幡岬

大原漁港の八幡岬

勝浦湾の八幡岬。「お万の方」の像が建っている

勝浦湾の八幡岬。「お万の方」の像が建っている

「坂東三十三ヵ所」第31番札所の笠森観音の参拝を終えると、国道409号で茂原へ。茂原からは国道128号を南下する。一宮町に入ると一宮の町中にある上総の一宮、玉前神社を参拝。ちょうど「茅の輪神事」の最中で、茅の輪をくぐって拝殿まで行く。「茅の輪神事」の案内板には次のように書かれていた。

 毎年2度(6月夏越・12月年越)行うこの神事は、茅の輪を「祓い給ひ清め給へ」と唱えつつ「左、右、左」と三度くぐり心身についた罪・穢れを清め、神々の御加護を祈る禊の神事です。

 玉前神社の祭神は玉埼神。この神は「海幸・山幸」神話に出てくる海神の娘、豊玉姫命の妹の玉依姫命だ。

 玉前神社の参拝を終えると、国道128号をさらに南へと走って外房海岸に出る。国道からわずかに入ったところが太東崎。灯台が立つ岬の突端へ。そこからは夷隅川の河口を見下ろし、その向こうの大原漁港の八幡岬を望む。目を北側に向けると、どこまでもどこまでも長く延びる九十九里浜の海岸線を一望する。太東崎は絶景岬だ。

 国道128号に戻り南へ。夷隅川を渡ったところで県道152号→県道154号で第32番札所の清水観音(清水寺)へ。ここは「西国三十三ヵ所」第16番の清水寺(京都)、第25番の清水寺(兵庫)とともに「清水三観音」といわれている。仁王門をくぐり、赤い楼門をくぐる。ここには風神と雷神が祭られている。鐘楼も赤で、鐘まで赤く塗られている。赤ぞろえの清水観音だが、本堂は赤くない。本尊は千手観音だ。

 清水観音の参拝を終えると、外房海岸の岬めぐりを開始する。

 まずは大原漁港に行き、目の前の八幡岬を見る。

 次に勝浦漁港に行き、同名の八幡岬へ。岬の展望台には徳川家康の側室「お万の方」の銅像が建っている。要害の地の八幡岬は勝浦城跡。お万はこの城の姫だった。落城の際、お万は断崖に布をたらし、海上に逃れたといわれているので、八幡神社下の断崖は今でも「お万布さらし」といわれている。お万の方といえば、徳川御三家のうち、紀州家の藩祖(頼宣)と水戸家の藩祖(頼房)を生んだ女性。「お万の方」を通して外房の勝浦と名古屋、水戸がつながっているのが歴史のおもしろいところ。またもし、お万が落城とともに命を落としていたら、今の名古屋や水戸はまったく違う顔をしているかもしれない。歴史で「もし」を考えるのはなんとも楽しいことだ。

 勝浦を過ぎた鵜原では明神岬、白鳳岬、毛戸岬の3岬をめぐった。3岬とも絶景岬だ。

 鴨川を過ぎたところで国道410号に入り、房総半島最南端の野島崎へ。野島崎は地名の通りで、もともとは「野島」という島だった。それが元禄大地震(1703年)で陸地につながった。さらに関東大震災で隆起し、岬周辺の岩礁地帯が生まれた。野島崎に着くと、漁港の漁船を眺め、厳島神社に参拝。見事な木の男根と貝の女陰が奉納されている。そして灯台に登り、外房海岸を一望した。

 遊歩道で岬をグルリと一周したあと、野島崎を目の前にする白浜温泉「南海荘」に泊まった。大浴場の湯につかり、湯から上がると生ビールをキューッと飲み干す。そのあとカツオの刺身やカツオのタタキ、3種のマグロの刺身、アジのタタキなど海鮮三昧の夕食。アワビの釜飯を食べ、最後にマグロの茶漬を食べた。

 さ〜、「坂東三十三ヵ所」もいよいよ残すところはあと1ヵ所となった。

鵜原の毛戸岬野島崎の漁港野島崎の厳島神社を参拝

鵜原の毛戸岬 野島崎の漁港 野島崎の厳島神社を参拝

厳島神社に奉納されている見事な男根野島崎の灯台野島埼灯台から太平洋を見渡す

厳島神社に奉納されている見事な男根 野島崎の灯台 野島埼灯台から太平洋を見渡す

野島崎前の白浜温泉「南海荘」湯上りの生ビール!白浜温泉「南海荘」の海鮮料理

野島崎前の白浜温泉「南海荘」 湯上りの生ビール! 白浜温泉「南海荘」の海鮮料理

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