アドレス日本巡礼[363]
投稿日:2016年5月27日
房総半島最南端
「坂東三十三ヵ所」第31番札所の笠森観音の参拝を終えると、国道409号で茂原へ。茂原からは国道128号を南下する。一宮町に入ると一宮の町中にある上総の一宮、玉前神社を参拝。ちょうど「茅の輪神事」の最中で、茅の輪をくぐって拝殿まで行く。「茅の輪神事」の案内板には次のように書かれていた。
玉前神社の祭神は玉埼神。この神は「海幸・山幸」神話に出てくる海神の娘、豊玉姫命の妹の玉依姫命だ。
玉前神社の参拝を終えると、国道128号をさらに南へと走って外房海岸に出る。国道からわずかに入ったところが太東崎。灯台が立つ岬の突端へ。そこからは夷隅川の河口を見下ろし、その向こうの大原漁港の八幡岬を望む。目を北側に向けると、どこまでもどこまでも長く延びる九十九里浜の海岸線を一望する。太東崎は絶景岬だ。
国道128号に戻り南へ。夷隅川を渡ったところで県道152号→県道154号で第32番札所の清水観音(清水寺)へ。ここは「西国三十三ヵ所」第16番の清水寺(京都)、第25番の清水寺(兵庫)とともに「清水三観音」といわれている。仁王門をくぐり、赤い楼門をくぐる。ここには風神と雷神が祭られている。鐘楼も赤で、鐘まで赤く塗られている。赤ぞろえの清水観音だが、本堂は赤くない。本尊は千手観音だ。
清水観音の参拝を終えると、外房海岸の岬めぐりを開始する。
まずは大原漁港に行き、目の前の八幡岬を見る。
次に勝浦漁港に行き、同名の八幡岬へ。岬の展望台には徳川家康の側室「お万の方」の銅像が建っている。要害の地の八幡岬は勝浦城跡。お万はこの城の姫だった。落城の際、お万は断崖に布をたらし、海上に逃れたといわれているので、八幡神社下の断崖は今でも「お万布さらし」といわれている。お万の方といえば、徳川御三家のうち、紀州家の藩祖(頼宣)と水戸家の藩祖(頼房)を生んだ女性。「お万の方」を通して外房の勝浦と名古屋、水戸がつながっているのが歴史のおもしろいところ。またもし、お万が落城とともに命を落としていたら、今の名古屋や水戸はまったく違う顔をしているかもしれない。歴史で「もし」を考えるのはなんとも楽しいことだ。
勝浦を過ぎた鵜原では明神岬、白鳳岬、毛戸岬の3岬をめぐった。3岬とも絶景岬だ。
鴨川を過ぎたところで国道410号に入り、房総半島最南端の野島崎へ。野島崎は地名の通りで、もともとは「野島」という島だった。それが元禄大地震(1703年)で陸地につながった。さらに関東大震災で隆起し、岬周辺の岩礁地帯が生まれた。野島崎に着くと、漁港の漁船を眺め、厳島神社に参拝。見事な木の男根と貝の女陰が奉納されている。そして灯台に登り、外房海岸を一望した。
遊歩道で岬をグルリと一周したあと、野島崎を目の前にする白浜温泉「南海荘」に泊まった。大浴場の湯につかり、湯から上がると生ビールをキューッと飲み干す。そのあとカツオの刺身やカツオのタタキ、3種のマグロの刺身、アジのタタキなど海鮮三昧の夕食。アワビの釜飯を食べ、最後にマグロの茶漬を食べた。
さ〜、「坂東三十三ヵ所」もいよいよ残すところはあと1ヵ所となった。
鵜原の毛戸岬 | 野島崎の漁港 | 野島崎の厳島神社を参拝 |
厳島神社に奉納されている見事な男根 | 野島崎の灯台 | 野島埼灯台から太平洋を見渡す |
野島崎前の白浜温泉「南海荘」 | 湯上りの生ビール! | 白浜温泉「南海荘」の海鮮料理 |