アドレス日本巡礼[376]
投稿日:2016年6月27日
小鹿野を起点に
「秩父三十四ヵ所」第32番の法性寺には小鹿野の町から行った。堂々とした二層の山門をくぐり、石段を登り、本堂を参拝。ここには般若の面がかかっている。さらに山上に登り、観音堂を参拝する。法性寺から日本武尊をまつる日本武神社を参拝して小鹿野の町に戻った。
小鹿野からは国道299号で群馬県境の志賀坂峠まで行ってみる。秩父盆地はかつては養蚕が盛んで、ぼくが初めて志賀坂峠を越えた1975年の頃は、どの家でも蚕を飼っていた。蚕が食べる桑の葉を摘んでいる光景を見かけたものだ。この地方の人たちにとって養蚕は大事な収入源なので、「かいこ」と呼び捨てにはしないで、「おかいこ」とか「おかいこさん」と呼んでいた。それも今では昔話になった。
峠下の坂本の集落を過ぎると、つづら折りの峠道が始まる。パワフルなエンジンのアドレスなので、急勾配の峠道も楽々登っていく。埼玉・群馬県境の志賀坂峠のトンネルを抜け、群馬県側を下っていく。峠を下った最初の集落が「まもの」。ちょっとギョッとするような地名だが、漢字で書くと間物になる。峠道を下りきると、利根川の支流、神流川にかかる橋に出る。特徴のある叶山という岩山が奇怪な姿でそびえ立っている。
神流川で折り返し、来た道を引き返す。再度、志賀坂峠を越えて小鹿野まで戻る。小鹿野は秩父盆地では秩父に次ぐ大きな町。小鹿野の町をぐるりとひと回りしたあと、国道299号で志賀坂峠方向に戻り、県道37号を左折。日本の100名山にもなっている両神山(1723m)がよく見える。
今晩の宿は両神温泉の国民宿舎「両神荘」。第31番の観音院に向かう途中、この前を通りかかった時に宿泊を頼んであった。さっそく大浴場の湯につかり、湯から上がると夕食だ。まずは生ビールで乾杯。「秩父三十四ヵ所」の札所めぐりも残りはあとわずか。生ビールをキューッと飲み干すと、コイの洗いやニジマスの甘露煮、筑前煮、鍋料理などの夕食を食べるのだった。