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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

東北四端紀行[8]

投稿日:2017年2月5日

南端編 8 帝釈山脈を越え奥会津へ

2009年9月10日~10月9日

東北道の宇都宮IC

東北道の宇都宮IC

湯西川沿いの湯西川温泉

湯西川沿いの湯西川温泉

湯西川温泉。左手の手前が共同浴場

湯西川温泉。左手の手前が共同浴場

安ヶ森峠の「林道開通碑」

安ヶ森峠の「林道開通碑」

 関東と東北を分ける帝釈山脈も東北の南端だ。

 帝釈山脈の峠を越えようと、スズキDR−Z400Sを走らせ、東京から東北道で宇都宮ICへ。そこから日光宇都宮道路に入っていく。今市ICで高速を降り、国道121号を北へ。鬼怒川温泉、川治温泉と通り、五十里湖畔から県道249号で平家落人伝説の湯西川温泉に行く。

 温泉街をプラプラ歩き、湯西川にかかる湯前橋のたもとにある共同浴場の湯に入った。湯銭箱に100円を入れて湯につかる。ここは混浴の湯だが、入浴客はぼく一人。泉質自慢の湯を独り占めした。う〜ん、たまらん!

 ここから東北南端の帝釈山脈の峠越えを開始する。安ヶ森林道、田代山林道、川俣檜枝岐林道と3本の林道で帝釈山脈の峠を越えるのだ。

 まずは安ヶ森林道。湯西川温泉から県道249号をわずかに戻り、「安らぎの森キャンプ場」への道に入っていく。キャンプ場前を通り、安ヶ森林道に突入。栃木・福島県境の安ヶ森峠に向かっていく。栃木県側はかつては路面に白砂の浮くスリッピーなダートだったのだが、今では全線が舗装林道。峠には「林道開通記念碑」が建っている。

 帝釈山脈の安ヶ森山(1353m)の西側の安ヶ森峠は田代山林道の田代山峠、川俣檜枝岐林道の馬坂峠に比べると標高が低いので、積雪時や残雪時など田代山林道&川俣檜枝岐林道が通れないときでも、ここは通れることがよくある。

 安ヶ森峠を越えて福島県側に入ると待望のダート。「林道天国」の東北を象徴するかのような峠を境にしての変化だ。峠を下り、渓流沿いを走り、森の中を抜けていく。路面は整備されていて走りやすい。15・3キロのダートを走りきり、国道352号に出た。

木賊温泉の「岩風呂」

木賊温泉の「岩風呂」

木賊温泉の「岩風呂」の前を流れる西根川

木賊温泉の「岩風呂」の前を流れる西根川

木賊温泉の民宿「若松屋」の夕食

木賊温泉の民宿「若松屋」の夕食

 そのあとさらに奥会津の林道を走り、その日はまだ明るいうちに、奥会津の秘湯、木賊(とくさ)温泉に到着。今晩の宿は民宿「若松屋」。「若松屋」の前に、木賊温泉の名物湯、混浴露天風呂の「岩風呂」がある。入浴客はぼく一人だったが、どっぷりとつかり、体が火照ってくると、目の前を流れる西根川での渓流浴。そのあとまた「岩風呂」の湯につかった。

 湯から上がると、「若松屋」での夕食。女将さんのえみ子さんがつくってくれる地の食材をふんだんに使った夕食は最高。えみ子さんに会いたくて、えみ子さんの手づくりの夕食を食べたくて、「若松屋」に泊まりに来るライダーは多い。

 その夜はえみ子さんにつがれるままに奥会津の地酒「花泉」を飲み、おおいに語りあった。「私も放浪の旅に出たい!」などとえみ子さんにいわれてよけいに盛り上り、宴は夜中までつづいた。

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