奥州街道を行く! [13]
投稿日:2017年5月14日
南部杜氏発祥の地
2009年10月12日
奥州街道の花巻宿を出発すると次の石鳥谷宿へ。
「石鳥谷」といえば、酒造りの「南部杜氏」発祥の地で知られている。南部杜氏は日本の杜氏集団の中でも最大規模。南部杜氏は南部藩出身の杜氏たちのことだが、南部藩というのは盛岡藩のみならず、八戸藩や七戸藩もあるので、それらの地域出身の杜氏たちということになる。その中心が石鳥谷なのだ。
国道4号沿いの道の駅「石鳥谷」でスズキDR−Z400Sを止め、ここにある「石鳥谷歴史民俗資料館」(入館料250円)を見学。南部杜氏の使った酒造用具が多数、展示されている。日本の酒器や世界の酒器も展示されている。
石鳥谷宿を出ると、郡山宿を通り盛岡宿へ。
郡山宿というのは紫波町の中心の日詰。日詰も南部杜氏の出身地。ここにある和気神社は日本最北の式内社(平安時代の「延喜式」に記された神社)だ。
盛岡に到着すると、盛岡駅前から開運橋で北上川を渡り、盛岡城址の岩手公園を歩いた。不来方城とも呼ばれる盛岡城は南部藩20万石の城。それなのに城址には石垣が残る程度でちょっと寂しい。城址には石川啄木の「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」の歌碑が建っている。盛岡で生まれた新渡部稲造の「願わくはわれ太平洋の橋とならん」の碑も建っている。城内の桜山神社を参拝したが、本殿裏手の烏帽子岩(兜岩)は目に残った。そこには次のような説明があった。
盛岡城築城時、この地を掘り下げたときに、大きさ2丈ばかり突出した大石が出てきました。この場所が城内の祖神の神域にあったため宝大石とされ、以後、吉兆のシンボルとして広く信仰されています。災害や疫病があったときなど、この岩の前で平安祈願の神事が行われ、南部盛岡藩の「お守り岩」として今日まで崇拝されています。
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