カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

奥州街道を行く! [15]

投稿日:2017年5月18日

青森県に至る

2009年10月12日

 スズキDR−Z400Sを走らせ奥州街道(国道4号)を北へ。渋民宿の次の沼宮内宿へ。沼宮内では沼宮内宿を走り抜け、国道4号沿いの道の駅「石神の丘」で小休止。沼宮内を過ぎると国道4号を右折し、旧奥州街道に入っていく。2キロほど行くと左手に御堂観音堂がある。その境内から湧き出る「弓弭(ゆはず)の泉」は、昔から東北一の大河、北上川の源だといわれている(正確にいうと北上川の源は奥中山高原の西岳)。「弓弭の泉」の流れ出る所は北上川源流公園として整備され、東屋もあり、そこでしばらくゴロ寝。いやー、気持ちいい。この近くには、北上川源流の滝の「御堂新田の滝」もある。

「弓弭の泉」から旧奥州街道を行くと「御堂・馬羽松の一里塚」があり、ゆるやかな峠に達する。峠の周辺は高原の風景。そこで交差する県道30号を左折し、国道4号に出た。そこは中山。IGRいわて銀河鉄道の奥中山高原駅の駅前に出る。

 中山から北に走るとすぐに、国道4号の最高所、十三本木峠(中山峠)に到達。ここまでが北上川の世界。峠を越えると川は変わり、馬渕川の世界になる。

 小繋宿から一戸宿へ。その途中では国道4号沿いのそば処「こずや」で「そばひっつみ」(600円)を食べた。ひっつみは岩手の郷土料理。小麦粉でつくるすいとんのようなものだが、それをソバ粉でつくったのが「そばひっつみ」。肉や野菜類などの具の入った汁に「そばひっつみ」が入っている。

沼宮内の道の駅「石神の丘」御堂観音堂弓弭の泉

沼宮内の道の駅「石神の丘」 御堂観音堂 弓弭の泉

旧奥州街道御堂・馬羽松の一里塚旧奥州街道の峠付近の風景

旧奥州街道 御堂・馬羽松の一里塚 旧奥州街道の峠付近の風景

国道4号の十三本木峠国道4号の十三本木峠の表示板そば処「こずや」の「そばひっつみ」

国道4号の十三本木峠 国道4号の十三本木峠の表示板 そば処「こずや」の「そばひっつみ」

 国道4号の旧道で一戸宿の町並みを走り抜け、国道4号に合流すると、その先で国道を右折し、慈覚大師によって開基されたという鳥越観音に行く。南部藩主の崇敬が篤かったという鳥越観音は「奥州糠部三十三ヵ所」第29番の札所。奥院は鳥越山中腹の岩窟にある。その近くの展望台からは二戸の町並みを見下ろした。

 国道4号に戻ると、馬淵川の峡谷「馬仙峡」を通り抜けて二戸の町に入っていく。ここは奥州街道の福岡宿。つづいて金田一宿を通り、国道4号の青岩大橋を渡って青森県に入った。こうしてひとつづ宿場をめぐりながら奥州街道を北上して青森県に入ると、
「おー、とうとうここまで来たか!」
 という感動的な気分を味わうのだった。

IGRいわて銀河鉄道に沿って走る一戸宿鳥越観音

IGRいわて銀河鉄道に沿って走る 一戸宿 鳥越観音

鳥越観音の奥院二戸の町を見下ろす馬淵川の馬仙峡

鳥越観音の奥院 二戸の町を見下ろす 馬淵川の馬仙峡

福岡宿金田一宿青森県に入った!

福岡宿 金田一宿 青森県に入った!

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