カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[35日目]

投稿日:2017年7月31日

さんざん泣かされた一日

甲信編 11日目(2006年12月11日)

 南宮温泉「南宮温泉旅館」の朝湯はよかった。湯につかりながら山の端から昇る朝日を眺める。きれいに晴れ渡った青空。眼下を流れる天竜川の川面に青空が映っている。湯から上がると、朝日がさんさんと降り注ぐ食堂での朝食。ここからも天竜川を見下ろす。朝食はすごいご馳走だったが、なんといっても朝粥がよかった。松の実とクコの実が入っている。まずは土鍋の朝粥をきれいにたいらげた。茶碗で3杯分。底にこびりついたお焦げがうまかった。そのあとヤマメのあんかけや胡麻豆腐、目玉焼きなどをおかずに白飯を食べた。

 南宮温泉「南宮温泉旅館」を出発。最初の予定では国道151号に出たら北へ、飯田に向かうつもりだったが、急に気が変わった。よくあることだ。ということで国道151号に出ると南へ、愛知県境の新野峠まで行き、そこで折り返した。峠の気温は氷点下1度。新野峠から峠下の新野へ。そこから国道418号で南信濃村へ。ここで国道152号に合流。第1湯目は遠山郷温泉の日帰り湯「かぐらの湯」。国道152号の道の駅「遠山郷」にある。入口に建つ霜月祭の神楽像は迫力満点。大浴場は湯気でもうもう。大露天風呂もある。湯量豊富な温泉で飲泉可。濃いミネラル分の味がする。湯から上がると大広間で「10分寝」をした。

 遠山郷温泉から国道418号で平岡まで戻り、県道1号を北へ。朝出発した南宮温泉に戻ってきた。

 南宮温泉から国道151号に出ると、今度は北へ。浅野温泉は廃業湯で入れず。

 第2湯目は下條温泉「秋桜の湯」。大浴場と露天風呂。露天風呂からは伊那谷の風景を眺める。雲ひとつない上天気。冷たい北風がモロに吹きつけてくる。左手の中央アルプスの山々にも雲はかかっていない。湯から上がると昼食。「五平餅定食」を食べた。五平餅が3本。次のいいだ温泉は廃業湯で入れなかった。

 第3湯目の天竜峡温泉では「天竜峡温泉ホテル」は休業中、「ホテルしぶき」は取り壊していた。3軒目に行った「温泉宿舎 天竜峡」に入れた。内風呂には広い洗い場。湯につかりながら天竜川の名勝の天竜峡を見下ろした。

 天竜峡温泉からは天竜川の東岸を行く。奥天竜不動温泉の一軒宿「佐和屋」は入浴のみは不可。川路温泉の入浴は土曜日と日曜日のみ。丸山温泉の入浴は17時から。湯の瀬温泉「湯の瀬の湯」は廃業湯。天竜水神温泉「よし乃亭」は本日休業。和久平の湯温泉は廃業湯。ということで6連続で入れなかった。

 やっと入れたのは第4湯目の久堅温泉「宝の湯」。天竜川をはさんで飯田の対岸にある。つづいての第5湯目は医王寺温泉「小川の湯」。元湯の湯船には気持ちよく入れた。ここには武田の古文書がある。医王寺温泉は「信玄の隠し湯」だったのか。

 医王寺温泉「小川の湯」から上がったのは17時30分。さきほど入れなかった丸山の湯温泉に戻る。

 第6湯目の丸山の湯温泉「丸山の湯」は、温泉旅館「丸山の湯」に公衆温泉浴場が併設されている。浴室には大正8年の天竜川の川港、時又港が描かれている。川港に浮かぶ帆船が時代を感じさせる。

 丸山の湯温泉「丸山の湯」から上がると、飯田ICから中央道に入り伊北ICへ。スズキST250で切る風の冷たさといったらない。

 一気に伊北ICまで走るつもりでいたが、あまりの寒さ、というよりもハンドルを握る手の痛みに我慢できず、途中の駒ヶ根SAに寄って手をあたためなくてはならなかった。信州のこの寒さだと、冬用のグローブをしていても、もうどうしようもない。休憩の回数を多くし、だましだまし走るしかなかった。

 伊北ICで降りると、第7湯目のたつの荒神山温泉の日帰り湯「湯にいくセンター」へ。ここは内風呂のみ。湯につかったときは生き返るような思いだったが、体は湯に入ってすぐにあたたまるものの、手はそうはいかない。まるで凍傷にでもかかったかのように、ジンジンと強烈な痛みが突き上げてくる。湯から上がると夕食。「すしの詰め合わせ」とおにぎりを食べた。

 今晩の宿は第8湯目みのわ温泉の「ながた荘」。宿湯につかりながら、「廃業湯」や「休業湯」、「入浴のみは不可」などでさんざん泣かされた今日一日を振り返ってみるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 南宮温泉「南宮温泉旅館」
朝食 南宮温泉「南宮温泉旅館」朝粥(松の実、クコの実入り)、胡麻豆腐、ヤマメのあんかけ、目玉焼き、漬物、ご飯、味噌汁
9時 南宮温泉「南宮温泉旅館」を出発
新野峠(峠返し)
297湯目 遠山郷温泉「かぐらの湯」(600円)
浅野温泉(廃業湯)
298湯目 下條温泉「秋桜の湯」(400円)
昼食 「秋桜の湯」 「五平餅定食」(800円)
いいだ温泉(廃業湯)
299湯目 天竜峡温泉「温泉宿舎 天竜峡」(400円)
奥天竜不動温泉(入浴のみ不可)
川路温泉(入れず)
湯ノ瀬温泉(廃業湯)
天竜水神温泉(入れず)
知久平の湯温泉(廃業湯)
300湯目 久堅温泉「宝の湯」(360円)
301湯目 医泉寺温泉「小川の湯」(400円)
302湯目 丸山の湯温泉「丸山の湯」(350円)
303湯目 たつの荒神山温泉「湯にいくセンター」(350円)
夕食 「湯にいくセンター」 「すしの詰め合わせ」(285円)、「おにぎり」(125円)
21時15分 みのわ温泉「ながた荘」(1泊朝食7270円)
304湯目 みのわ温泉「ながた荘」
本日の走行距離数 227キロ
本日の温泉入浴数 8湯

南宮温泉「南宮温泉旅館」の朝湯に入る「南宮温泉旅館」の浴室から見る天竜川「南宮温泉旅館」の朝食

南宮温泉「南宮温泉旅館」の朝湯に入る 「南宮温泉旅館」の浴室から見る天竜川 「南宮温泉旅館」の朝食

「南宮温泉旅館」の食堂から見る天竜川国道151号の新野峠遠山郷温泉「かぐらの湯」前の霜月祭の神楽像

「南宮温泉旅館」の食堂から見る天竜川 国道151号の新野峠 遠山郷温泉「かぐらの湯」前の霜月祭の神楽像

「かぐらの湯」の露天風呂国道151号から見る下条の町並みと伊那山地浅野温泉は廃業湯

「かぐらの湯」の露天風呂 国道151号から見る下条の町並みと伊那山地 浅野温泉は廃業湯

伊那谷の狭路を行く下条温泉「秋桜の湯」「秋桜の湯」の露天風呂

伊那谷の狭路を行く 下条温泉「秋桜の湯」 「秋桜の湯」の露天風呂

「秋桜の湯」から見る伊那谷の風景「秋桜の湯」の「五平餅」いいだ温泉「湯里湖」は廃業湯

「秋桜の湯」から見る伊那谷の風景 「秋桜の湯」の「五平餅」 いいだ温泉「湯里湖」は廃業湯

天竜峡の舟乗場を見下ろす天竜峡温泉「天竜峡温泉ホテル」は休業中天竜峡温泉「温泉宿舎 天竜峡」

天竜峡の舟乗場を見下ろす 天竜峡温泉「天竜峡温泉ホテル」は休業中 天竜峡温泉「温泉宿舎 天竜峡」

「温泉宿舎 天竜峡」の湯に入る奥天竜不動温泉「佐和屋」丸山の湯温泉「丸山の湯」

「温泉宿舎 天竜峡」の湯に入る 奥天竜不動温泉「佐和屋」 丸山の湯温泉「丸山の湯」

天竜川の対岸から飯田の町並みを望む飯田の近くを流れる天竜川久堅温泉「宝の湯」

天竜川の対岸から飯田の町並みを望む 飯田の近くを流れる天竜川 久堅温泉「宝の湯」

「宝の湯」の湯船医泉寺温泉「小川の湯」「小川の湯」にある武田家の古文書

「宝の湯」の湯船 医泉寺温泉「小川の湯」 「小川の湯」にある武田家の古文書

丸山の湯温泉「丸山の湯」に入る飯田ICから中央道に入るたつの荒神山温泉「湯にいくセンター」

丸山の湯温泉「丸山の湯」に入る 飯田ICから中央道に入る たつの荒神山温泉「湯にいくセンター」

今晩の宿、みのわ温泉「ながた荘」に到着

今晩の宿、みのわ温泉「ながた荘」に到着    

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