カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[102日目]

投稿日:2018年5月13日

静岡を横断

四国編 3日目(2007年3月12日)

 竹倉温泉「錦昌館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、目玉焼き、シラスおろし、フキ、サラダ、のり、漬物の朝食を食べ、9時に出発。

 スズキの400ccスクーター、スカイウェイブ400との旅も今日で3日目。スクーターにも大分、慣れてきた。

 まずは伊豆国の温泉。函南町内の温泉をめぐる。

 第1湯目は畑毛温泉の温泉旅館「高橋別館」。無色透明の湯。湯温の違う3つの湯船に入った。つづいて奈古谷温泉に行ったが、風情のある一軒宿は休業中。

 第2湯目の駒の湯温泉の一軒宿「源泉荘」はそこからわずか500メートルほどの距離だが、一気に山中に入ったような深山幽谷の地の趣がある。函南から三島へとつづく町並みがすぐ近くにあるとは思えないような風景だ。露天風呂の湯につかりながら、そんな駒の湯温泉の自然を満喫した。

 第3湯目は柏谷温泉の日帰り湯「湯〜トピアかんなみ」。函南町の町営湯でなかなかいい。しっかりとした温泉施設。広々とした明るい大浴場。露天風呂にもゆったりとしたスペースがある。露天風呂からは抜けるような青空を背にした富士山がよく見えた。

 こうして伊豆国の3湯の温泉に入り、伊豆国の中心の三島へ。伊豆国一宮の三嶋大社に参拝し、国道1号で沼津に向かった。

 三島から沼津までは途切れることなく市街地がつづく。だが沼津になると、同じ静岡県でも旧国でいうと駿河国になる。三島と沼津の間で国が変わる。

 第4湯目は駿河の湯温泉の日帰り湯「駿河の湯」。東名沼津IC入口の近くにある。内風呂と露天風呂。ともにかなり塩分の濃い湯。とくに露天風呂の湯は塩辛い。だがそこからの眺めは抜群。沼津の市街地を一望し、光り輝く駿河湾を望む。伊豆半島の山々も大きく見える。真正面には大瀬崎。湯から上がると、大広間で昼食。「日替わりランチ」を食べた。

 沼津ICで東名に入り、西へ。スカイウェイブ400の高速走行は快適だ。キュ〜ンと延びる加速感がたまらない。スクーターがこんなにも速いとは。

 静岡を過ぎ、大井川を渡って遠江国(遠州)に入る。相良牧之原ICで東名を降り、国道473号で相良へ。遠州の温泉めぐりの開始だ。

 第5湯目はさがら子生れ温泉の日帰り湯「さがら子生れ温泉会館」の湯。整った温泉施設と500円という入浴料の安さもあって大浴場、露天風呂ともにかなりの入浴客だった。

 これで静岡県の旧3国の温泉に入ったことになる。

「さがら子生れ温泉会館」の黄緑色がかった湯につかりながら、なつかしさにも浸った。ここは高校時代の友人の故郷。彼の家を根城にこの周辺をめぐり、相良の海にも繰り出したのだ。そんな思い出がよみがえってくる。

 相良からは国道150号を行く。途中で国道を離れ、御前崎へ。しばらく来ないうちに、御前崎の周辺は大変貌をとげていた。御前崎港には巨大な自動車専用船が接岸しているではないか。御前崎港は自動車の積み出し港になり、岸壁周辺の広大な敷地は新車で埋め尽くされていた。

 御前崎を過ぎたところでふたたび国道150号に合流し、浜松へ。

 第6湯目は海岸に近い大東温泉の日帰り湯「大東温泉シートピア」の湯。大浴場の湯はかなり濃い茶色をしている。若干の塩味。小さめな円形の露天風呂もある。

 第7湯目は小笠山温泉の日帰り湯「遠州和の湯」。ここの大浴場と大露天風呂の湯も茶色い湯。そのあと遠州浜温泉、弁天島温泉、新居浜温泉と3湯連続で入れなかったのが痛かった…。

 国道1号で県境を越え、愛知県に入る。すでに日は暮れ、ナイトランの三河温泉めぐりになった。

 豊橋から国道23号で蒲郡へ。

 第8湯目はラグーナの湯温泉の日帰り湯「ラグーナの湯」。何かとんでもないところに迷い込んだ気分で湯につかった。ここは三河湾に面した一大リゾート施設「ラグーナ蒲郡」の中にある。

 そのあとの三河温泉めぐりは辛いものになった。

 三谷温泉、形原温泉、西浦温泉とまわったが、どこにも入れず…。めまいがするほどの空腹を感じながら今晩の宿、吉良温泉まで走った。すると「酔酔」という居酒屋が開いていて、そこで夕食にありつけた。店の女将さんは三河湾名物の「アサリの酒蒸し」をつくってくれ、アナゴの干物を焼いてくれた。「味噌汁の代わりよ」といってラーメンもつくってくれた。

「酔酔」での遅い夕食を食べ終わり、吉良温泉の温泉旅館「丸十」に到着したのは22時20分。こんな遅い宿の到着にもかかわらず、ご主人は快く出迎えてくれ、「お風呂は24時間、いつでも入れますからね。どうぞごゆっくりしていって下さい」とあたたかな言葉をかけてくれた。思うように温泉に入れず、けっこう辛い1日だったので、宿の主人の一言はうれしかった。

 第9湯目の「宿湯」には思いっきり長湯した。こうして湯につかっていると、いやなことなどいっぺんに吹き飛んでしまう。これが最大の温泉効果といっていい。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 竹倉温泉「錦昌館」
朝食 竹倉温泉「錦昌館」 ご飯、味噌汁、目玉焼き、シラスおろし、フキ、サラダ、のり、漬物
9時00分 竹倉温泉「錦昌館」を出発
929湯目 畑毛温泉「高橋別館」(500円)
奈古谷温泉 休業中で入れず
930湯目 駒ノ湯温泉「源泉荘」(500円)
931湯目 粕谷温泉「湯〜トピアかんなみ」(700円)
932湯目 駿河の湯温泉「駿河の湯」(950円)
昼食 駿河の湯温泉「駿河の湯」 「日替わりランチ」(840円)
933湯目 さがら子生れ温泉「さがら子生れ温泉会館」(500円)
934湯目 大東温泉「大東温泉シートピア」(950円)
935湯目 小笠山温泉「遠州和の湯」(1000円)
遠州浜温泉 休業中で入れず
弁天島温泉 入れず
新居浜温泉 入れず
愛知県に入る
936湯目 ラグーナ温泉「ラグーナの湯」(1000円)
三谷温泉 入れず
形原温泉 入れず
西浦温泉 入れず
夕食 吉良温泉の「酔酔」 「アサリの酒蒸し、アナゴの干物、ラーメン」(2100円)
22時20分 吉良温泉「丸十」(1泊朝食7350円)
937湯目 吉良温泉「丸十」
本日の走行距離数 311キロ
本日の温泉入浴数 9湯

竹倉温泉「錦昌館」の朝食「錦昌館」を出発畑毛温泉「高橋別館」の湯

竹倉温泉「錦昌館」の朝食 「錦昌館」を出発 畑毛温泉「高橋別館」の湯

奈古谷温泉は休業中で入れず駒ノ湯温泉「源泉荘」函南町から見る富士山

奈古谷温泉は休業中で入れず 駒ノ湯温泉「源泉荘」 函南町から見る富士山

粕谷温泉「湯〜トピアかんなみ」駿河の湯温泉「駿河の湯」「駿河の湯」の「日替わりランチ」

粕谷温泉「湯〜トピアかんなみ」 駿河の湯温泉「駿河の湯」 「駿河の湯」の「日替わりランチ」

さがら子生れ温泉「さがら子生れ温泉会館」静岡県最南端の御前崎大東温泉「大東温泉シートピア」

さがら子生れ温泉「さがら子生れ温泉会館」 静岡県最南端の御前崎 大東温泉「大東温泉シートピア」

小笠山温泉「遠州和の湯」ラグーナ温泉「ラグーナの湯」吉良温泉「酔酔」の夕食

小笠山温泉「遠州和の湯」 ラグーナ温泉「ラグーナの湯」 吉良温泉「酔酔」の夕食

これが「アサリの酒蒸し」

これが「アサリの酒蒸し」    

Comments

Comments are closed.