カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[118日目]

投稿日:2018年6月29日

剣山が見える

四国編 19日目(2007年3月28日)

 ふいご温泉の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、生卵、のり、佃煮、漬物の朝食を食べ、8時45分に出発。四国第一の大河、吉野川流域の温泉めぐりの開始だ。

 第1湯目は讃岐山脈の山裾にある土柱温泉。名所の「土柱」がすぐ近くにある。日帰り湯「土柱休養村温泉」に到着したのは9時。ここのオープンは9時なので「一番湯」に入ることができた。入浴客はぼく一人。大浴場と露天風呂を独り占め。浴室内にはさんさんと日の光が差し込んでいる。目の前には視界をさえぎるものは何もなく、吉野川の広い谷間を一望する。吉野川の流れがキラキラ光り輝いている。その向こうは四国山脈の主脈へとつづく山並みだ。「青い四国」どおりの青い山並みが目に残る。

 第2湯目は金清温泉「白鳥荘」の湯。到着は10時。ここのオープンは10時なので、またしても「一番湯」に入れた。ここは内風呂のみ。湯につかりながら椿の花を眺め、ぽつぽつ咲き始めた桜を眺めた。

 第3湯目の穴吹温泉には穴吹から向かった。国道492号で山中に入っていく。見上げる山の斜面には淵名の小集落が見える。その先にある穴吹温泉「水車の里」の湯に入った。内風呂のみ。無色透明の湯にはとろりとしたぬめりがある。

 第4湯目は剣山ゆうま温泉。貞光から国道438号で南へ、四国山脈の山中に入っていく。前方にはそそりたつ連山。その一番奥に四国第2の高峰、剣山が見える。日帰り湯「木綿麻(ゆうま)荘」の湯に入る。大浴場とかわいらしい露天風呂。湯から上がると昼食。ここのメニューは「うどん」の一種。このシンプルさがいいではないか。「うどん」を食べて貞光に戻った。

 貞光からは国道438号を北へ、徳島・香川県境に向かっていく。そして三頭トンネル(2648m)を抜け、いったん香川県に入り、香川県内の2湯に入る。

 第5湯目は美霞洞温泉の「みかど温泉」。内風呂のみ。若干、白濁した湯。

 第6湯目は美合温泉の「ビレッジ美合館」の湯。大浴場と渓流のわきの露天風呂。ここは硫黄泉だとのことだが、硫黄臭はなく、さらっとした感触の湯だった。

 これら香川県内の2湯に入ると、ふたたび三頭トンネルを抜けて徳島県に戻った。

 さらに吉野川流域の温泉めぐりはつづく。

 第7湯目は紅葉温泉。讃岐山脈の山麓を東西に貫く県道12号から入っていく。日帰り湯「三好市ふれあい紅葉センター」の湯に入る。内風呂のみ。無色透明の湯にはぬめりがある。浴室からは吉野川の谷間を見渡し、その向こうに衝立のように立ちふさがる四国山脈の山並みを眺めた。

 県道12号で三好市の中心、池田へ。そこからは国道32号を行く。

 第8湯目は白地温泉。国道沿いの「小西旅館」の湯に入る。内風呂のみ。無色透明の湯につかりながら吉野川の流れを見下ろす。対岸をJR土讃線の1両編成の列車が通り過ぎていく。このあたりを境にして、吉野川はいっぺんに様相を変える。それまでは悠々と流れていたものが、山中に入り、岩をもかむような激流に変わる。山の斜面のはるか上の方に家々が見える。

 吉野川が四国の中央分水嶺の四国山脈を断ち割って流れる現場が大歩危・小歩危だが、まずは小歩危に入っていく。

 第9湯目は奥小歩危温泉。小歩危で国道32号から県道271号に入っていく。驚いたのはこの県道沿いに小さな集落がつづくことだ。集落が途切れ、山中深く入ったところに一軒宿の「奥小歩危温泉」がある。まさに秘湯だ。内風呂のみ。木の湯船。洗い場には中央構造線の産物、阿波の青石が敷きつめられている。ありがたいことに湯から上がると、夕食を食べられた。「そば」と「山菜ご飯」。そばはまったくつなぎを使っていない「十割そば」。幅広に打ったそばは箸でつまむとプッツン、プッツンとすぐに切れてしまう。それがよけいに阿波の山里を感じさせた。「山菜ご飯」は釜飯。あつあつの炊き込み飯はうまかった。

 奥小歩危温泉から国道32号に戻ると、今晩の宿、大歩危温泉の「サンリバー大歩危」へ。到着は20時10分。第10湯目の「宿湯」に入る。5階の展望浴室だが、暗くて何も見えなかった…。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 ふいご温泉「ふいご温泉」
朝食 ふいご温泉「ふいご温泉」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、生卵、のり、佃煮、漬物
8時45分 ふいご温泉「ふいご温泉」を出発
1094湯目 土柱温泉「土柱休養村温泉」(500円)
1095湯目 金清温泉「白鳥荘」(300円)
1096湯目 穴吹温泉「水車の里」(500円)
美馬温泉 休業中で入れず
1097湯目 剣山ゆうま温泉「木綿麻荘」(400円)
昼食 剣山ゆうま温泉「木綿麻荘」 「うどん」(350円)
1098湯目 美霞洞温泉「みかど温泉」(600円)
1099湯目 美合温泉「ビレッジ美合館」(800円)
1100湯目 紅葉温泉「三好市ふれあい紅葉センター」(500円)
「美濃田の湯」は天然温泉ではないようなのでパス
1101湯目 白地温泉「小西旅館」(500円)
1102湯目 奥小歩危温泉「奥小歩危温泉」(400円)
夕食 奥小歩危温泉「奥小歩危温泉」 「釜飯&そば」(980円)
20時10分 大歩危温泉「サンリバー大歩危」(1泊朝食6000円)
1103湯目 大歩危温泉「サンリバー大歩危」
本日の走行距離数 198キロ
本日の温泉入浴数 10湯

ふいご温泉の朝湯に入るふいご温泉の朝食を食べる土柱温泉「土柱休養村温泉」

ふいご温泉の朝湯に入る ふいご温泉の朝食を食べる 土柱温泉「土柱休養村温泉」

「土柱休養村温泉」からの眺め「土柱休養村温泉」の湯吉野川流域の眺め

「土柱休養村温泉」からの眺め 「土柱休養村温泉」の湯 吉野川流域の眺め

金清温泉「白鳥荘」桜並木を行く穴吹温泉「水車の里」

金清温泉「白鳥荘」 桜並木を行く 穴吹温泉「水車の里」

「水車の里」の湯剣山の山麓剣山ゆうま温泉「木綿麻荘」

「水車の里」の湯 剣山の山麓 剣山ゆうま温泉「木綿麻荘」

「木綿麻荘」の「うどん」美霞洞温泉「みかど温泉」美合温泉「ビレッジ美合」

「木綿麻荘」の「うどん」 美霞洞温泉「みかど温泉」 美合温泉「ビレッジ美合」

三頭トンネル紅葉温泉「三好市ふれあい紅葉センター」白地温泉「小西旅館」

三頭トンネル 紅葉温泉「三好市ふれあい紅葉センター」 白地温泉「小西旅館」

白地温泉「小西旅館」の湯奥小歩危温泉「奥小歩危温泉」「奥小歩危温泉」の湯

白地温泉「小西旅館」の湯 奥小歩危温泉「奥小歩危温泉」 「奥小歩危温泉」の湯

「奥小歩危温泉」の「釜飯&そば」これが「奥小歩危温泉」の「釜飯」今晩の宿、大歩危温泉「サンリバー大歩危」に到着

「奥小歩危温泉」の「釜飯&そば」 これが「奥小歩危温泉」の「釜飯」 今晩の宿、大歩危温泉「サンリバー大歩危」に到着

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