カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[128日目]

投稿日:2018年8月2日

温泉でない温泉の連続

四国編 29日目(2007年4月7日)

 大仁温泉「大仁ホテル」の朝湯に入る。大浴場と露天風呂の湯につかっていると、「さー、今日もやるぞ!」という気分になってくる。朝湯の効果は絶大だ。浴室からは正面に雲ひとつない富士山を見る。すばらしき「富士見の湯」。バイキングの朝食を食べ、8時30分に出発だ。

 今日は富士山周辺の温泉がメインだが、その前に、まわりそこねた「静岡市」の温泉をめぐる。ところが大規模な入浴施設の「ゆ・ら・ら」は天然温泉でないことがわかりパス。次の北沼上温泉は「廃業湯」。麻機温泉は場所がわからず…で、やっと第1湯目の平山温泉「龍泉荘」の湯に入れた。内風呂のみ。無色透明の湯は「御殿乳母の湯」といわれるほどの泉質の良さ。飲泉も可。湯治宿の風情を残す「龍泉荘」だ。

 国道52号に出ると北へ。国道沿いには一軒宿の八木温泉があるが、玄関で何度か声をかけたが誰も出てこない。留守のようなので諦めた。

 富士見峠近くの分岐を右へ、県道75号に入っていく。そこに第2湯目の瓜島温泉。温泉旅館「翠紅苑」の湯に入る。木の湯船の内風呂と岩風呂の露天風呂に入った。ここは敷地内の自噴の湯。やわらかな感触の湯でぬめりがある。「隠れ湯」といった風情だ。

 第3湯目は国道469号の桜峠下にある新稲子温泉の日帰り湯「ユー・トリオ」。大浴場と露天風呂。湯から上がると、地元のオバチャンが売っている「おはぎ」を食べ、それを昼食がわりにした。この手作りおはぎはよかった。ご飯もあんもおいしくてボリューム満点。食べ終わるとオバチャンは自分用の混ぜご飯のおにぎりをひとつくれた。おこげのついたおにぎりがこれまた美味。人の手のあたたかさが伝わってくるようだった。

 第4湯目はその奥にある飛図温泉の一軒宿「飛図温泉」。大浴場と露天風呂の湯に入った。

「ユー・トリオ」に戻ると、国道469号で桜峠を越える。峠道を下っていくと、ドーンと富士山が見えてくる。ここからの富士山はとてつもなく大きく見える。裾野近くまで雪が残っていた。

 富士山麓の温泉めぐりの開始。

 まずは西麓の「西富士湯ランド」。休業中で入れなかったが、ここは天然温泉ではないようだ。

 第5湯目は朝霧高原温泉の日帰り湯「グリーンパーク」の湯。内風呂と露天風呂。ここは「富士見の湯」なのだが、天気は崩れ、雨が降り出し、富士山はすっぽりと雨雲の中に隠れてしまった。

 次に富士山の南麓へ。

「富士山天母の湯」は天然温泉ではないようなのでパス。次に国道469号沿いの「大野路」の露天風呂に入る。ここは湯から上がったあとで天然温泉でないことがわかった…。

 雨が激しくなる。ザーザー降りの中、スカイウェイブを走らせる。

 第6湯目は裾野温泉。「ヘルシーパーク裾野」の湯に入る。大浴場と露天風呂。ここは源泉100パーセントの湯。濃いミネラル分の味がする。ホッ。

 第7湯目は御胎内温泉。大浴場と露天風呂の湯には富士山の湧水を思わせるような清涼感があった。

 国道469号→国道138号で富士山の東麓へ。須走温泉の日帰り湯「天恵」の入浴料は土日祝日の割高料金で1500円。「平日は900円なのだからいいではないか」とも思ったりしたが、上限の1000円をはるかに超えているのでパス。それにしても富士山麓の温泉めぐりは難しい。温泉でない温泉だったり、入浴料が高かったり…。それはこのエリアが温泉地帯ではないからだ。

 富士山麓の温泉めぐりを終え、国道138号で御殿場へ。

 第8湯目はあしがら温泉の日帰り湯「あしがら温泉」。湯気がもうもうとたちこめる浴室内の内風呂に入った。ここは深さ1500メートルの大深度温泉。源泉は30・5度。湯は茶色がかった色をしている。

 御殿場に戻ると国道246号で神奈川県に入り、山北へ。JR御殿場線山北駅前の「さくらの湯」に入る。大浴場と円形の露天風呂。湯から上がったところで、ここが人工温泉なのがわかった…。

 今日は最後までこの連続。

 もうガックリ。

 温泉(天然温泉)でない温泉に入ってひとつはっきりわかることは、湯から上がったあとの、温泉特有のぽかぽか感がないこと。あらためて温泉(天然温泉)のすごさを実感する。

 山北からは国道246号で伊勢原市の自宅へ。その途中、国道沿いの「ガスト」で夕食。「ステーキセット」を食べた。温泉でない温泉の連続で落ち込み、肉でも食べないとやりきれないような気分。こうして22時30分、ひと月ぶりに我が家に帰ってきた。温泉ではないが、小さな「家湯」に入り、ほっとした気分にひたった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 大仁温泉「大仁ホテル」
朝食 大仁温泉「大仁ホテル」 バイキング
8時30分 大仁温泉「大仁ホテル」を出発
「ゆらら」 天然温泉ではないようなのでパス
1195湯目 平山温泉「龍泉荘」(500円)
北沼上温泉 廃業湯
興津川温泉 入れず
八木温泉 入れず
1196湯目 瓜島温泉「翠紅苑」(500円)
1197湯目 新稲子川温泉「ユー・トリオ」(1000円)
昼食 「おはぎ」(200円)
1198湯目 飛図温泉「飛図温泉」(600円)
1199湯目 朝霧高原温泉「グリーンパーク」(800円)
「富士山天母の湯」 天然温泉ではないのでパス
「大野路温泉」(800円) 天然温泉ではないのでカウントせず
1200湯目 裾野温泉「ヘルシーパーク裾野」(500円)
1201湯目 御胎内温泉「御胎内温泉」(1000円)
1202湯目 あしがら温泉「あしがら温泉」(500円)
神奈川県に入る
「さくらの湯」(400円) 天然温泉ではないのでカウントせず
夕食 秦野の「ガスト」 「ステーキセット」(1120円)
22時30分 伊勢原市の自宅
本日の走行距離数 315キロ
本日の温泉入浴数 8湯

大仁温泉「大仁ホテル」の朝湯に入る「大仁ホテル」の朝食「大仁ホテル」を出発

大仁温泉「大仁ホテル」の朝湯に入る 「大仁ホテル」の朝食 「大仁ホテル」を出発

平山温泉「龍泉荘」平山温泉近くの茶畑八木温泉には入れず

平山温泉「龍泉荘」 平山温泉近くの茶畑 八木温泉には入れず

瓜島温泉「翠紅苑」「翠紅苑」の湯新稲子川温泉「ユー・トリオ」の露天風呂

瓜島温泉「翠紅苑」 「翠紅苑」の湯 新稲子川温泉「ユー・トリオ」の露天風呂

昼食の「おはぎ」飛図温泉「飛図温泉」朝霧高原温泉「グリーンパーク」

昼食の「おはぎ」 飛図温泉「飛図温泉」 朝霧高原温泉「グリーンパーク」

大野路温泉大野路温泉の露天風呂裾野温泉「ヘルシーパーク裾野」

大野路温泉 大野路温泉の露天風呂 裾野温泉「ヘルシーパーク裾野」

「さくらの湯」の桜「ガスト」の「ステーキセット」

「さくらの湯」の桜 「ガスト」の「ステーキセット」  

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