カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[188日目]

投稿日:2019年4月29日

「スズキ軍団」が行く!

本州東部編 14日目(2007年7月3日)

 東鳴子温泉「初音旅館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、アジの干物、玉子焼き、ワラビ、シソ巻き、サラダ、海苔、漬物の朝食を食べ、9時に出発。ところが…。

 東鳴子温泉「初音旅館」には「おかさん」が車で来てくれた。つづいて「荒井さん」がスズキDJEBEL200に乗って来てくれた。これは大変なことになった。女将さん、若旦那の見送りを受けて出発したが、「おかさん」の車が先頭を走り、「TAKAさん」のスズキハスラー50、「荒井さん」のスズキDJEBEL200、そしてカソリのスズキDR−Z400Sの「スズキ軍団」がつづいた。

 国道47号で山形へ。

 第1湯目は中山平温泉。ここでは「おかさん」おすすめの温泉食堂「レストハウス星沼」の湯に入った。「おかさん」はトレードマークの黄色い熊さんの被り物をしている。ここの湯はびっくりするほどのツルツルヌルヌル湯。まさに「うなぎの湯」。

 国道47号で中山峠を越え、山形県に入る。

「最上の温泉めぐり」の開始だ。

 第2湯目は赤倉温泉。芭蕉の「奥の細道」ゆかりの山刀伐峠下に温泉街。ここは「TAKAさん」が産湯をつかった温泉。そんな「TAKAさん」のおかげで、「あべ旅館」の湯に入ることができた。それもタダで…。女将さんは明るい人。「(入浴料を)もらうわけにはいかないわよ」という。ここの湯はすごい。自然石をそのまま使った大岩風呂。岩の間からはブクブクプクプクと熱い湯が湧き出ている。自然湧出の温泉だ。湯から上がると女将さんは我々4人にひとつづつ、有田焼きの「奥の細道」にちなんだ図柄の湯のみをくれた。女将さん、ありがとう!

 赤倉温泉で「おかさん」と別れ、ここからは「スズキ軍団」の3台のバイクでまわる。「TAKAさん」が地元の最上町を案内してくれる。

 第3湯目は大堀温泉。国民年金保養センター「もがみ」の湯に入る。大浴場と露天風呂。露天風呂は「絶景湯」だ。奥羽山脈の山並みを正面に眺める。山麓には小国盆地の広々とした水田が広がっている。

 第4湯目は瀬見温泉。ここでは老舗旅館「喜至楼」の木造4階建ての旧館にある「ローマ式千人風呂」に入った。混浴の円形の湯船。レトロ調の湯船には何ともいえない温泉情緒が漂う。湯から上がったところで、「初音旅館」の女将さんがつくってくれた「おにぎり」を食べた。このおにぎりは抜群のうまさで、「TAKAさん」、「荒井さん」も絶賛の味。女将さんのあたたかさが伝わってくるような味なのだ。

 瀬見温泉で「荒井さん」と別れ、「TAKAさん」と2人になる。

 第5湯目の最上ヘルス温泉では、仙台からやってきた「ゆぷるさん」に出会う。3人で「ウェルネスプラザ」の湯に入った。「ゆぷる」のブログ名は秋田県横手市の温泉「ゆっぷる」にちなんだもので、ゆぷるさんは「みちのく再発見記」で東北各地の温泉を紹介している。

 最上町の中心、向町からは県境の花立峠を越え、宮城県側の「鬼首の温泉」をめぐる。

 第6湯目は轟温泉の一軒宿「とどろき旅館」の湯。男女別の内風呂と混浴の大露天風呂に入った。

 第7湯目は宮沢温泉「かむろ荘」の湯。ここの源泉は98.3度の超高温湯。

 第8湯目は吹上温泉の国民宿舎「鬼首ロッジ」の湯。大浴場の内風呂のみ。やわらかな湯だ。

 吹上温泉から一部ダートの山道に入り、樹林の中を走り抜け、水神峠を越える。そこには荒湯地獄がある。歩いていくと、一木一草もない荒涼とした「地獄」の風景を見る。ところどころで蒸気が噴き上がっている。さらに歩くと、熱湯がボコボコ音を立てて噴出する湯川に出る。その湯川が流れ下ったあたりに天然の露天風呂がある。白っぽい砂を掘って深くし、白濁した湯につかった。湯には金属質の強い味がする。これが第9湯目。荒湯地獄温泉の天然露天風呂だ。湯につかりながら、「ゆぷるさん」差し入れの「ままどおる」をほうばった。

 第10湯目は神滝温泉。一軒宿「神滝温泉」の湯に入る。湯直しとでもいおうか、荒湯地獄の強い湯に入ったあとの、神滝温泉のやわらかな湯はじつに気持ちよかった。

 こうして鳴子温泉郷の中山平温泉を皮切りに、山形県内の「最上の温泉」、宮城県内の「鬼首の温泉」をめぐり、「1日10湯」を達成して東鳴子温泉の「初音旅館」に戻ってきた。

「TAKAさん」は少々興奮気味に「10湯達成!」の喜びを出迎えてくれた女将さんに語っている。「初音旅館」で連泊することにし、さっそく大浴場の湯につかったが、まるで我が家に帰ってきたかのような安堵を感じるのだった。

 湯から上がると夕食。昨夜と同じ二の膳つきだが、メニューはガラッと変わっている。このあたりの心づかいが何ともうれしい。女将さんにお礼をいうと、「連泊のお客さまにはいつもそうしてるんですよ」と涼しい顔。酢味噌で食べる鯉の洗いがうまかった。アユの塩焼きは頭からまるかじり。骨1本、残さなかった。ウナギの蒲焼はキシッとした歯ごたえ。タレは女将さん特製のもの。そのほかゆでたソラマメ、山菜煮物、ミズ、イワシの酢の物、抹茶豆腐、シメジのおろしあえ…などをおいしくいただいた。

 夕食が終わったところで、「TAKAさん」、「ゆぷるさん」との宴会開始。2夜連続の「初音旅館」での大宴会。「ゆぷるさん」は帰らなくてはならなかったのでアルコール抜きだが、カソリ&TAKAさんはガンガン飲んだ。TAKAさんは大のワイン好き。どこからか仕入れてきたカリフォルニアワインの栓を開ける。ビール、日本酒のあとはワインともうチャンポン状態。そんなところに「ホリゴメさん」がやってくる。きれいな奥さん、かわいらしい娘さんも一緒だ。「ホリゴメさん」からは日本酒「すず音」の差し入れ。「ホリゴメさん」一家を見送ったところで、今度は「TAKAさん」の奥さんが来てくれた。「初音旅館」は大変なことになった。「ゆぷるさん」が帰ったあとは若旦那が同席してくれ、宴会はさらにテンションが高くなり、夜更けまでつづくのだった。女将さん、若旦那、ほんとうに楽しい一夜でしたよ。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 東鳴子温泉「初音旅館」
朝食 東鳴子温泉「初音旅館」 ご飯、味噌汁、アジの干物、玉子焼き、ワラビ、シソ巻き、サラダ、海苔、漬物
9時 東鳴子温泉「初音旅館」
出会い 最上のTAKAさん、のらさん、おかさん、荒井さん
1892湯目 中山平温泉「レストハウス星沼」(300円)
中山峠(峠越え)
山形県に入る
琵琶沢温泉(廃業湯)
1893湯目 赤倉温泉「あべ旅館」(無料・特例)
1894湯目 大堀温泉「国民年金保養センター もがみ」(400円)
1895湯目 瀬見温泉「喜至楼」(500円)
昼食 瀬見温泉「喜至楼」 おにぎり(初音旅館の女将さんがつくってくれた)
1896湯目 最上ヘルス温泉「ウェルネスプラザ」(300円)
出会い ゆぷるさん
前森温泉「清流」(定休日)
花立峠(峠越え)
宮城県に入る
1897湯目 轟温泉「とどろき旅館」(500円)
1898湯目 宮沢温泉「かむろ荘」(500円)
1899湯目 吹上温泉「国民宿舎 鬼首ロッジ」(500円)
1900湯目 荒湯地獄温泉「露天風呂」(無料)
1901湯目 神滝温泉「神滝温泉」(500円)
19時 東鳴子温泉「初音旅館」(1泊2食7500円)
夕食 東鳴子温泉「初音旅館」 ご飯、味噌汁、鯉のアライ(酢味噌)、アユの塩焼き、ミズのおひたし、イカのタラコ和え、イワシの酢の物、山菜の煮物
出会い ホリゴメさん一家
出会い 最上のTAKAさんの奥さん
本日の走行距離数 112キロ
本日の温泉入浴数 10湯

東鳴子温泉「初音旅館」の朝湯に入る「初音旅館」の朝食「初音旅館」を出発。最上のTAKAさん、おかさんと一緒だ

東鳴子温泉「初音旅館」の朝湯に入る 「初音旅館」の朝食 「初音旅館」を出発。最上のTAKAさん、おかさんと一緒だ

中山平温泉「レストハウス星沼」の湯赤倉温泉「あべ旅館」の湯大堀温泉「国民年金保養センターもがみ」の露天風呂に入る

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「スズキ軍団」が行く!瀬見温泉「喜至楼」「喜至楼」の湯

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これが昼食!最上ヘルス温泉「ウェルネスプラザ」山形・宮城県境の花立峠に到達!

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轟温泉「とどろき旅館」の露天風呂宮沢温泉「かむろ荘」の湯荒湯地獄にやってきた!

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荒湯地獄の露天風呂に入る神滝温泉「神滝温泉」「初音旅館」の夕食

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「初音旅館」にホリゴメさん一家がやってきた!ホリゴメさんの差し入れの「すず音」をいただく

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