ジクサー150分割日本一周[08]
投稿日:2020年5月20日
やむなく「中国一周」を断念
「ジクサー150での分割日本一周」は「中国一周」から始まった。
なぜ「中国一周」かといえば、その前年の、2016年11月20日に3000人ものライダーを集めた南三重のバイクイベントにさかのぼる。
バイクイベントでの『風まかせ』(クレタ)編集長、斎藤直人さんとのトークショーを終えるとカソリは、すぐさまV−ストローム1000で「紀伊半島一周」に出発。「紀伊半島一周」を終えると、そのまま「中国一周」を走る予定にしていた。
ところが左足を痛めてしまい、歩けないほどになってしまった…。やむなく「中国一周」を断念し、東京に戻ったのだ(帰るとすぐさま整形外科に行って左足をみてもらったのだが、骨や関節に異常はみられなかった)。歩けなくてもバイクには乗れる!?
2017年2月18日に岩手県の花巻で開催された「IWATEモーターサイクルフェスタ」でジクサー150との運命的な出会いをしてから12日後、3月2日に「ジクサー150での分割日本一周」を開始した。Vストローム1000での「中国一周」を断念したのが悔しくて、そのリベンジをジクサー150で果たしたのである。
このようないきさつがあったので、「ジクサー150での分割日本一周」の「中国編」の前に、みなさんにはぜひともVストローム1000での「紀伊半島一周」をお読みいただきたい。それは「温泉めぐりの紀伊半島一周」。半島というのは絶好のツーリングエリアなので、温泉をからめて半島を一周しようと始めた。房総半島、三浦半島、伊豆半島につづいての紀伊半島だった。
紀伊半島一周の始まり
「温泉めぐり紀伊半島一周」に出発したのは2016年11月18日。10時に秦野中井ICから東名に入った。東名→新東名→伊勢湾岸→東名阪→伊勢自動車道→紀勢自動車道と高速道を一気に走り、14時30分、紀勢自動車道の勢和多紀ICに到着。秦野中井ICから380キロ。ここから紀伊半島一周の国道42号を走り始めた。
第1湯目は国道42号のすぐ脇にある阿曽温泉「阿曽温泉」(入浴料500円)の湯。廃校を利用した温泉施設で、石造りの湯船にどっぷりつかる。薄緑色の湯につかった瞬間、400キロ走ってきた体の疲れがスーッと抜けていく。阿曽温泉は熊野詣が盛んだった頃からの古湯だ。
阿曽温泉を出発すると、国道42号で荷坂峠を越えた。
三重県は旧国でいうと伊勢、志摩、伊賀、紀伊の4ヵ国から成っているが、荷坂峠は伊勢と紀伊の国境。峠を境にして伊勢の茶畑から紀伊のミカン園へと風景が変わる。
荷坂峠を下ると紀伊長島。ここでは第2湯目の古里温泉(入浴料510円)の湯に入った。無色透明のツルツル湯。肌に薄い膜が貼るような湯の感触だ。
紀伊長島でいったん「紀伊半島一周」を中断し、国道260号で志摩半島に向かっていく。先にもふれたように、11月20日に開催される「南三重バイクミーティング」にはカソリ、ゲストとして呼ばれていた。場所は度会町の宮リバーパーク。バイクミーティングへの参加を兼ねての「温泉めぐりの紀伊半島一周」で、イベントを終えたら「紀伊半島一周」をつづけるつもりだ。
紀伊長島から国道260号で南伊勢町に入り、五ヶ所温泉の温泉旅館「二葉」に泊まった。湯から上がると、生ガキと赤貝、タコ刺し、刺身の盛り合わせ、白身魚のフライといった海鮮料理を食べた。
「南三重バイクミーティング」
翌日は志摩半島を一周。志摩名物の「てこねずし」を食べ、志摩の一宮の伊雑宮を参拝し、五ヶ所温泉「二葉」に戻った。ここでクレタのみなさんと落ち合った。バイク雑誌を何誌も発行しているクレタがイベントを全面的にサポートしている。イベントを進行する未飛登さんと柴田奈緒美さんとのなつかしの再会。イベントを飾る人気タレントのときひろみさんもやってきた。前夜の一人ぼっちの夕食とは違って、みなさんとの大盛り上がりの夕食会になった。そのあとの二次会はクレタの社長、北村明広さんの部屋での飲み会だ。つがれるままにチャンポンで飲み、正体を失くすカソリだった。
翌日の「南三重バイクミーティング」はすごかった。関西圏のみならず日本全国から3000台ものバイクが集まった。宮川の河原では盛大な焚火。焚火を囲みながら参加者のみなさんとおおいに語り合った。
『風まかせ』編集長の斎藤さんとのトークショーでは、南三重のツーリング情報につづいて、斎藤さんも興味を持ってくれている日本の旧国めぐりで話が盛り上がった。ときひろみさんの餅まきには大勢のみなさんが集まった。ぼくはこの頃から左足が痛くなり、歩くのがやっとという状態になってしまったのだ…。