カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

ジクサー150分割日本一周[86]

投稿日:2020年9月8日

九州一周編 34(2017年4月24日)

阿蘇神社の強さ

JR豊肥本線の宮地駅

JR豊肥本線の宮地駅

宮地駅の路線図。「肥後大津〜阿蘇」間は熊本地震の影響で不通

宮地駅の路線図。「肥後大津〜阿蘇」間は熊本地震の影響で不通

宮地駅内のカフェでコーヒーを飲む

宮地駅内のカフェでコーヒーを飲む

国道57号の滝室坂に到達

国道57号の滝室坂に到達

JR豊肥本線の豊後竹田駅

JR豊肥本線の豊後竹田駅

竹田の商家

竹田の商家

岡城址の石垣

岡城址の石垣

岡城址からの眺め

岡城址からの眺め

原尻の滝

原尻の滝

 阿蘇の国道57号沿いの食事処「山賊旅路」を出発。阿蘇神社の入口、JR豊肥本線の宮地駅でジクサー150を止める。駅舎内のカフェでコーヒーを飲んだ。

 宮地駅から国道57号の阿蘇外輪山の峠、滝室坂に向かって行く。急カーブが連続する滝室坂を登り、峠を越えたが、ここでおもしろいことに気がついた。

 一般的な例でいうと、この峠が肥後と豊後の豊肥国境になっておかしくない。ところが峠道を下っても、なかなか大分県には入らない。10キロ近くを走ってやっと大分県に入った。

 これは一体、何を意味するのだろうか…。

 肥後・豊後の国境線は相当に古いと思われる。肥後は「火国(ひのくに)」が肥前、肥後に分かれてできた国だが、おそらく2国に分国する以前からの国境線であろう。

 九州を二分する分水嶺が国境線にならないで、それをはるかに越えたラインが国境線になっているのは、火国の強さを物語っている。その火国の象徴が阿蘇山であり、阿蘇山を御神体にしている阿蘇神社なのだ。阿蘇神社の強さということになるのか。

 今の熊本県は「一国一県」。肥後国の全部が熊本県になっている。熊本県のまとまりの良さ、熊本県民の結びつきの強さは、ここから来ているとぼくは思っている。

 このような一国一県の例はそれほど多くはない。最強の一国一県だと思われていた長野県は一部が岐阜県になり、今では信濃国=長野県ではなくなっている。

 話はそれたが、国道57号で大分県に入るとそこは竹田市。後を振り返ってみても、もう阿蘇山は見えない。

 竹田の町には「荒城の月」で知られる岡城址がある。見事な石垣が残り、往時の面影を偲ばせている。石垣の上に立つと、祖母傾の山並みや九重連山が見渡せる。

 竹田の町並みを走り抜け、国道502号経由で原尻の滝へ。

 緒方川にかかる幅120メートル、高さ20メートルの大滝は、「東洋のナイアガラ」とも称される。滝の上をジクサー150で走っていけるのがすごくいい。

 突き当りにはこんもりとした森に囲まれた二の宮社がある。

 原尻の滝の起源は、9万年前の阿蘇山の大噴火。この大噴火で発生した大火砕流は、この地にも、何十メートルもの厚さで積もった。それが徐々に冷え固まり、阿蘇溶結凝灰岩と呼ばれる岩石になる時、縦方向の割れ目(柱状節理)が同時にできた。柱を束ねたような状態で立っている大地に川の水が流れ込み、次々に柱を押し倒し、原尻の滝がつくられたのだという。

 阿蘇山があっての原尻の滝。ここでも阿蘇山の持つすさまじい力を見せつけられた。

原尻の滝の上を走っていく原尻の滝の二の宮社原尻の滝で食べるソフトクリーム

原尻の滝の上を走っていく 原尻の滝の二の宮社 原尻の滝で食べるソフトクリーム

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