ジクサー150分割日本一周[160]
投稿日:2021年4月3日
ここは、本州の袋小路だ
ぼくが初めて龍飛崎に来たのは1978年。「30代編日本一周」の時だった。
そのときの龍飛崎はまさに太宰治のいう通りの袋小路。龍飛崎からは、来た道を戻るしかなかった。国道339号が全線開通し、日本海側の小泊に抜けられるようになったのは、その後の1984年のことである。
龍飛崎の龍飛漁港から、地つづきの帯島に渡ってみる。「義経北行伝説」の伝わる小島で、弁天がまつられている。その先は、大岩が手を広げるような形をして立ちふさいでいる。帯島は龍飛漁港の天然の大防波堤になっている。
国道沿いの漁村の舟屋 | 龍飛崎に到着 | 龍飛崎の太宰治の文学碑 |
太宰治の紹介 | 太宰治の『津軽』 | 龍飛崎の龍飛漁港。地つづきの帯島が見える |
国道339号といえば、日本で唯一の階段国道でよく知られている。ジクサー150を止めて、階段国道を歩いて登った。
高台上には、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」歌碑が建っている。
ごらんあれが 竜飛岬
北のはずれと
見知らぬ人が 指をさす
息でくもる 窓のガラス
ふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
………
と彫り刻まれた歌碑の前に立ち、赤いボタンを押すと、石川さゆりの歌が流れてくる。
階段国道を登り降りして往復すると、今度はジクサー150を走らせ、自動車道で高台上の龍飛崎へ。駐車場にジクサー150を止めると、龍飛崎の突端へ。強い風に吹かれながら歩く。この一帯は海からの風が吹きつけるので、周囲の丘陵地帯には風力発電の風車が何基も見られる。白い灯台の前を通り、岬突端に立ち、海上自衛隊のレーダー基地を見る。レーダー基地越しの北海道を見る。龍飛崎から北海道最南端の白神岬までは19,5キロでしかない。
戦前まで、ここには旧日本海軍の望楼(2007年に撤去)があった。明治以前の文化5年(1808年)、弘前藩はこの地に台場を築き、狼煙台と砲台を設置した。龍飛崎は昔も今も、日本の北方警備の要衝の地になっている。