ジクサー150分割日本一周[300]
投稿日:2022年5月27日
紀伊の国府めぐり(その1)
5月26日5時、尾鷲のビジネスホテル「フェニックス」を出発。夜明けの国道42号を走る。やがて熊野灘を赤く染めて朝日が昇る。
熊野川を渡って和歌山県に入り、新宮に到着。新宮の熊野速玉大社を皮切りに本宮の熊野本宮大社、那智の熊野那智大社と、「熊野三山」をめぐった。
熊野本宮大社前の茶店では名物の「めはりずし」を食べた。高菜の漬物の茎を細かく刻んで飯に混ぜ、それでお握りをつくり、残りの葉で包み込んだもの。めはりずしは南紀の山地の食べ物で、山仕事などに持っていく弁当だった。
南紀のツーリングで那智大社周辺をまわったときのことだ。色川という集落でバイクを止めたとき、たまたま「兄さん、お茶でも飲んでいきなさいよ」と声をかけてくれたおばあさんがいた。ありがたくお茶を飲んでいると、「残りものだけど」といってめはりずしを出してくれたのだ。あのときの驚きといったらなかった。あまりにも大きいのだ。めはりずしというのはあまりの大きさに驚き、目をぱちくりするところから名づけられたという説もあるが、まったく同感で、それほど大きかった。
めはりずしを食べるたびに、あの時の色川の「めはりずし」が思い出されるが、忘れられない南紀の味だ。
熊野那智大社では、隣にある「西国三十三ヵ所」第1番札所の青岸渡寺をも参拝した。和歌山県内には第2番の紀三井寺、第3番の粉河寺があるが、これら3ヵ所の札所めぐりは欠かせない。
熊野那智大社の参拝を終えると「日本三名瀑」の那智の滝を見る。日本三名瀑というのは那智の滝と華厳の滝、それと袋田の滝の3滝だが、高さ133メートルの那智の滝は一番の名瀑だ。
「熊野三山」をめぐる。まずは熊野速玉大社 | 本宮の熊野本宮大社を参拝 | 熊野本宮大社前の茶店で「めはりずし」を食べる |
那智の熊野那智大社を参拝 | 「西国三十三ヵ所」第1番札所の青岸渡寺 | 日本一の名瀑、那智の滝 |
「鯨の町」の太地に寄って、南紀の名所の橋杭岩を見て、「本州最南の町」の串本に到着。JR紀勢本線の串本駅前でジクサー150を止めた。
串本からは本州最南端の潮岬へ。広々とした園地を歩き、本州最南端碑を見て、展望台から岬突端の岩場を見下ろした。太平洋の海の青さが目に染みた。
潮岬から串本に戻ると、国道42号→紀勢道→阪和道で和歌山へ。海南ICで高速を降りると、「西国三十三ヵ所」第2番札所の紀三井寺を参拝し、和歌山の中心街に入っていく。
和歌山城を右手に見る交差点は「紀伊の十字路」。ここが国道42号の終点で、京都からの国道24号と大阪からの国道26号の終点にもなっている。
この「紀伊の十字路」から「紀伊の国府めぐり」を開始する。