温泉めぐり日本一周[26日目]
投稿日:2017年7月21日
ほうとうパワー
塩山温泉「廣友館」の朝湯は最高に気持ちよかった。浴室の窓を開けると、一片の雲もない青空が広がっている。「さー、今日もやるぞ!」という気分になってくる。よせゆば、ゆでゆば、納豆、ゆで卵、のり、焼きナス、醤油漬けのタマネギ、そば、漬物、自家製ヨーグルトの朝食のあと、8時30分、出発。宿の若奥さんは寒い中、我々が走り出すまで玄関前に立ち尽くして見送ってくれた。
塩山から国道411号で柳沢峠に向かったが、強烈な風の冷たさ。「関東編」で奥多摩側から柳沢峠まで行ったときから10日しかたっていないが、その間に季節は秋から冬へ、はっきりと変わっていた。塩山から18キロで柳沢峠に到達。正面には富士山がくっきりと見えている。峠の茶屋でストーブにあたりながら、熱いコーヒーを飲んだ。
柳沢峠の「峠返し」で、峠下の大菩薩の湯温泉、裂石温泉の2湯に入る。
第1湯目は大菩薩の湯温泉の日帰り湯「大菩薩の湯」。広々とした露天風呂。無色透明の湯にはぬめりがある。休憩室で休んだが、ここは食べ物の持ち込み可なのがいい。
第2湯目の裂石温泉「雲峰荘」の湯には、「大菩薩の湯」から柳沢峠に少し戻るようにして入った。大石を配した露天風呂には熱い湯(加熱)が流れ込んでいる。露天風呂の湯につかっていると、落葉がヒラヒラと舞い落ちてくる。風情のある露天風呂だ。
柳沢峠から塩山に戻ると、武田信玄の墓のある恵林寺前を通り、牧丘へ。牧丘からは国道140号で雁坂峠に向かい、一気に峠の有料トンネル入口まで行った。甲州側のトンネル入口は料金所からわずか200メートルほど。どうしてもトンネル入口に相棒のスズキST250を停めて写真をとりたかったので、わずか200メートルのために560円、往復で1120円、若林さんの分も合わせ、2台分の2240円を払った。
「関東編」で冷たい雨に打たれながら、反対側のトンネル入口に立った日が、すごく懐かしく思い出されてくる。
そんな感慨にひたっていると、1台のバイクが停まった。スズキDR−Z400SMに乗る中村貴典さん。中村さんはUターンして戻ってきてくれたのだが、開口一番、「やっぱりカソリさんだ。やっとみつけることができましたよ」といって喜んでくれた。「こうしてバイクを走らせていると、やっぱりいいことがありますねえ」という中村さんの言葉にうれしくなってしまう。
雁坂峠で昼食。トンネル入口近くの「マウントパーク」で甲州の名物料理の「ほうとう鍋」を食べた。具だくさんのほうとう鍋は体の芯からあたたまる。味噌味の汁がうまい。
ほうとうパワーで、雁坂峠の「峠返し」の温泉めぐりを開始する。
第3湯目は天科温泉「こやす旅館」の湯。ここは脱衣所は男女別だが、中で一緒になる混浴の湯。だが残念ながら「もうすこしで女性の方が出ますので」と宿の主人にいわれ、しばらく待ち、女性客が出たところで入った。熱めの湯と温めの湯の2つの湯船。笛吹川の渓流の音を聞きながら湯につかった。
第4湯目は川浦温泉「山県館」の湯。ここの入浴料は1500円。入浴料の上限とした1000円を超えるが、どうしても入りたい湯だったので、よしとして入った。大浴場の湯に入ったあと、エレベーターで川底に下り、笛吹川の河原の露天風呂にも入った。以前、ここでは若い女性と一緒になったことがある。そんな混浴の思い出というのはいつまでもおぼえているものだ。
第5湯目は三富温泉「白龍館」の湯。国道140号に面した玄関がこの宿の4階で、大浴場のある1階まではエレベーターで降りていく。大浴場はもうもうと湯気がたちこめ、ほとんど何もみえない。ここは源泉が52度の高温湯で、湯量も豊富。樋から流れ落ちる湯は、おしげもなく湯船からあふれ出ている。
天科温泉、川浦温泉、三富温泉の笛吹温泉郷の3湯は「信玄の隠し湯」として知られている。甲州から信州にかけて点在する「信玄の隠し湯」といわれる温泉はどこも名湯だ。
第6湯目は笛吹の湯温泉「笛吹の湯」。内風呂には熱めの湯と温めの湯の2つの湯船。露天風呂は温めの湯だ。
雁坂峠の峠返しで牧丘に戻ったのは17時。すでにあたりは暗い。ここからは牧丘を拠点にしての温泉めぐり。
第7湯目は鼓川温泉の日帰り湯「鼓川温泉」の湯。大浴場と露天風呂。ここは人気の湯で混みあっていた。湯から上がると館内の食堂「あぜ道」で夕食。「塩さば定食」を食べた。
夕食を食べて元気が出たところで、第8湯目の牧丘温泉の日帰り湯「花かげの湯」に入り、牧丘から国道140号で山梨市へ。そこからフルーツ公園に登って行く。眼下にはまばゆいばかりの甲府盆地の夜景が広がっている。
第9湯目はその奥にあるほったらかし温泉。以前はその名前通りの温泉だったとのことだが、今では超人気。異様なくらいに若い女性が多い。「こっちの湯」、「あっちの湯」とあるが、入浴料はともに600円。ということでより広い湯船の「あっちの湯」に入った。露天風呂の温めの湯につかりながら甲府盆地の夜景を見下ろした。正面の山並みが落ち込んだあたりが御坂山地の御坂峠。目をこらしてその向こうを見たが、富士山は見えなかった。天空にはこうこうと輝く月。ここで東京に帰る若林さんと別れた。
ほったらかし温泉で今晩の宿探し。近くの春日井温泉に泊まろうと、「笛声旅館」や「日の出温泉」、「ホテル春日井」…と、かたっぱしから電話をしたが宿が取れない。岩下温泉もダメだ。「これが最後だ」とばかりに、国道140号沿いにある一ノ橋温泉の一軒宿「一ノ橋館」に電話すると、ありがたいことに宿泊OK。助かった!
牧丘に戻ると国道140号で雁坂峠の方向に走り、一ノ橋温泉の「一ノ橋館」へ。到着は20時45分。さっそく第10湯目の「宿湯」に入った。浴室の窓を開けると、眼下には月光に照らされた笛吹川。湯から上がると、部屋の冷蔵庫のビールで一人で乾杯!
朝湯 | 塩山温泉「廣友館」 |
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朝食 | 塩山温泉「廣友館」 よせゆば、ゆでゆば、納豆、ゆで卵、のり、焼きナス、醤油漬けのタマネギ、そば、漬物、自家製ヨーグルト、ご飯、味噌汁 |
8時30分 | 塩山温泉を出発 |
柳沢峠(峠返し) 「柳沢峠茶屋」 コーヒー(390円) | |
210湯目 | 大菩薩の湯温泉「大菩薩の湯」(600円) |
211湯目 | 裂石温泉「雲峰荘」(500円) |
雁坂峠(峠返し) | |
昼食 | 雁坂峠近くの「マウントパーク」 「ほうとう鍋」(1350円) |
212湯目 | 天科温泉「こやす旅館」(500円) |
213湯目 | 川浦温泉「山県館」(1500円) |
214湯目 | 三富温泉「白龍閣」(500円) |
215湯目 | 笛吹の湯温泉「笛吹の湯」(500円) |
216湯目 | 鼓川温泉「鼓川温泉」(500円) |
夕食 | 「鼓川温泉」 「塩さば定食」(840円) |
217湯目 | 牧丘温泉「花かげの湯」(500円) |
218湯目 | ほったらかし温泉「ほったらかしの湯」(600円) |
若林さんとの別れ | |
20時45分 | 一之橋温泉「一之橋館」(1泊朝食7000円) |
219湯目 | 一之橋温泉「一之橋館」 |
本日の走行距離数 143キロ | |
本日の温泉入浴数 10湯 |
塩山温泉「廣友館」の朝湯に入る | 塩山温泉「廣友館」の朝食 | 塩山温泉「廣友館」の朝食を食べる |
塩山温泉「廣友館」を出発 | 柳沢峠の展望台から富士山を見る | 柳沢峠近くからの眺め |
大菩薩の湯温泉「大菩薩の湯」 | 大菩薩の湯温泉「大菩薩の湯」の露天風呂に入る | 裂石温泉「雲峰荘」 |
裂石温泉「雲峰荘」の露天風呂に入る | 雁坂峠の雁坂トンネル | 「マウントパーク」の「ほうとう鍋」 |
ほうとうを食べる | 天科温泉「こやす旅館」 | 天科温泉「こやす旅館」のフロント |
天科温泉「こやす旅館」の湯に入る | 天科温泉「こやす旅館」前の子安地蔵 | 川浦温泉「山県館」 |
川浦温泉「山県館」の大浴場 | 川浦温泉「山県館」の露天風呂に入る | 三富温泉「白龍閣」 |
笛吹の湯温泉「笛吹の湯」 | 鼓川温泉「鼓川温泉」 | 鼓川温泉「鼓川温泉」の「塩さば定食」 |
牧丘温泉「花かげの湯」 | ほったらかし温泉から見る甲府盆地の夜景 | 一之橋温泉「一之橋館」の湯 |